無血革命。

選択国語の授業で、「論理的な文章を書こう」という授業をしました。
論理的な問題の答えを、誰もが分かるように文章で書こう、というものです。


問題は、よくある帽子の問題です。
TRICKでも使われた問題なので知っている方もいるのではないでしょうか。
全員の心理を読んで、考える問題です。


出された問題はこうです。
強盗版画3人の男を人質にとって、飲食店に立てこもっています。
犯人は3人の人質にこう言いました。


「ここに、黒い帽子が2つと白い帽子が3つある。
 この中から一人に一つずつ、全部で3つの帽子をかぶせる。
 もちろん自分のが何色かわからないように後ろからな。
 そして、自分の帽子が白だと分かったら逃げてもいい。
 ただし、黒なのに逃げれば撃ち殺す。
 お互いの帽子の色は見てもいいが、喋ることは許さん。
 他にも、お互いに教えあう方法をとった場合、撃ち殺す」


3人は15分ほどお互いの帽子を見て、考えて、
そして一斉に逃げ出しました。
3人が逃げたのは正しく、全員白の帽子を被っていたのでした。
さて、何故3人は自分達の帽子が全て白だと分かったのでしょうか。





皆さん、分かりましたか?
ヒントは、「何故、15分の時間が必要だったのか」。
それでは、答えです。






1.3人の人質のうち、2人が黒を被っていた場合
残りの一人は白の帽子を被っており、その人は黒の帽子が2つ見えるので、
自分が白だと特定でき、即座に逃げ出すはずです。
しかし、即座に逃げ出す人質はいなかったので、
2人が黒を被っているということはありません。


2.2人の人質のうち、1人が黒を被っていた場合
残りの白の帽子を被った2人のうち一人からは、
白の帽子を被った人質が一人、黒の帽子を被った人質が1人見えます。
一人の白の帽子を被った人質Aが見ている、
白の帽子を被ったもう一人の人質Bが逃げ出さなかった場合、
自分(A)の帽子は黒ではないことが分かります。
Bも同様の思考を取りますから、AとBは逃げます。
逆に、黒の帽子を被った人質は
自分の帽子の色が特定できないため、逃げることはありません。
しかし、全人質が逃げたのですから、
1人が黒の帽子を被っていることはありえません。


問題で、人質が15分ほど誰も動かなかったのは、
3人のうち黒い帽子を被った人質が誰もおらず、
一人の人質からは2人の白い帽子を被った人質が見えたからです。
(黒い帽子をかぶった人質が一人でもいれば、
 上記1か2のような思考で逃げ出す人質がいるはずです)
そして、もし自分が黒い帽子ならば、
上記のように逃げ出す人質がいるだろうと考えます。
しかし誰も動かないので、自分も白い帽子をかぶっていることが分かります。
誰もがこう考えて、自分が白をかぶっていると判断した、と思われます。


答えが長くなりましたが、つまりはそういうことです。
黒い帽子を誰かが被っているなら、他の全員はすぐに逃げ出す。
全員が逃げなかったことから、
全員が白の帽子をかぶっていた、というわけです。



それより、強盗犯の優しさが気になります。
勘で逃げても、撃ち殺されることはなかった。
「白の帽子なのに逃げなくても撃ち殺す」とは言わなかったのですから、
強盗犯は、人質を殺す気持ちはなかったわけです。
きっと、強盗犯は本当は良い人なのです。
昔、「お前が宇宙飛行士になったら、バラ1000本もって行ってやるよ」
とか約束して、相手はきっと宇宙飛行士になれたのでしょう。
ずっと約束を覚えていて、バラ1000本を買おうと思ったのでしょう。
でも、バラって実はめちゃくちゃ高いことを知らなかったのでしょう。
強盗犯はこう考えて、バラ1000本買うには
強盗するしかない、と判断した、と思われます。


今日の教訓。
金は天下の回り物。


だから実は、人質3人も勘で逃げ出したのかもしれません。


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